現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

~ロシア語ガチ勢のためのブログ~

ロシア語の文中における動詞の原形:『義務』『禁止・不必要』『不可能』の違い

最近集中して質問が多いのが、ロシア語の文中で脈絡もなく突然出てくる動詞の原形は何なのか?という問題です。

 

動詞が文中で原形になる原因はいくつか存在しますが、多い例としては、

①義務(~すべき) や、

②禁止、不必要(~するな、~すべきではない) 

➂不可能という意味です。

 

具体的な例を見ていくと、

①の例

*Я не знаю, что делать. 私は何をすべきか分からない。


*Я не знаю, с чего начать. 何から始めるべきか分からない。


*Так, нам просто ждать?  

ということは、我々はただただ待つのみなのでしょうか?

 

*Что делать, если женщина вас игнорирует?

もし女性があなたを無視している場合、どうすべきか?

 

*Я спросила папу, как найти свой путь в жизни.
私はお父さんに、人生で自分の道をどのように見つけるべきかを尋ねた。

 

②の例
*Не трогать! 触るな。
*Здесь не шуметь. ここでは騒ぐな。

 

②の場合、нельзяが省略されている点から

1) 会話などの口語的な表現であり、

2) 不完了体動詞が使われる傾向があります。 それは、命令法にも通じることですが、『не+不完了体動詞』は”禁止”や”不必要”を示すニュアンスがあるからです。

 

逆に、не+完了体動詞の場合は、上述の➂の”不可能”を示すニュアンスが現れてきます。

 

例) 
*Тебе нас не догнать. 君は我々には追い付けないよ。

*Делайте первый шаг, иначе вам никогда не достичь цели.
第一歩を踏み出してください、でなければついには目標には到達できませんよ。  (※достичьが完了体)