現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

~ロシア語ガチ勢のためのブログ~

ロシア語の動詞「記憶系動詞」 помнить, вспомнить等の覚え方

 

こんにちは!

意外とかなり多くの生徒さんが混合、もしくは理解されていない「記憶系動詞」について、今一度まとめています。

 

これらは4~3級のレベルですので、かなり基礎重要単語です。

 

以下の日本語はいくつロシア語に正確に直せますでしょうか?

①覚えている

②覚える

➂思い出す

 

 

①覚えている: (不)のみ помнить 

 

②覚える
(不)запоминать 
(完)запомнить

 

➂思い出す
(不)вспоминать 
(完)вспомнить 

 

ロシア語の動詞は、最低でも
1)不完了体と完了体の原形
2)両方の体の現在変化と過去変化
3)語法 (目的語をどう格変化させるかなど)

を全て掌握して、はじめてその 動詞を自在に操れると考えるべきでしょう(厳格基準だと)。

 

まず、①覚えている:というのは状態動詞(ある事実が継続していることを表す動詞)ですので、不完了体のみという認識が正しいです。

 

例) Мы помним о его плохой стороне.

我々は彼の悪い側面について覚えている。

 

 

②「覚える」という動作は、記憶にない状態から記憶する状態への「移行」を示す動詞という点で、①помнитьとは異なります。接頭辞за-は「開始」を表し、помнить(覚えている)という状態に入っていくための入り口を表す動詞です。

 

例) Ученики запомнили новые слова. 
生徒たちは新しい単語を覚えた。

 

➂「思い出す」という動詞の接頭辞вс-は「上昇」を意味し、помнить(記憶にある)事柄を頭に上げていくイメージのある動詞です。

 

例) Доброй вам ночи, вспоминайте нас. 
おやすみなさい、私たちを思い出してください。
(歌 Дорогие москвичиの歌詞)

 

重要な事として、これら①~➂の動詞はまずそれぞれが異なる意味の動詞であること(同じ動詞ではないこと)と、それから、「②覚える」と「➂思い出す」の動詞は、「覚えている」という不完了体動詞のпомнитьに、それぞれ接頭辞がついて完了体動詞になっている(②запомнить と➂вспомнить)ということです。

 

なお、припомнить, упоминать, напомнитьに関しては、2級や1級試験の範囲なので省略しました。