スペインのメディア『エル・パイス』は、2017年秋に隆盛したカタルーニャ独立運動にロシアの国家情報機関が関与した可能性があるとして、同国の総合情報委員会が調査を行っていると発表しました。露独立系メディア”メドゥーザ”が伝えています。
調査内容は非公開とされています。財政状況が悪化するスペインでは、観光などで潤いのある同国内の自治州カタールニャ(州都バルセロナ)が2010年頃から独立運動を繰り返しています。
『エル・パイス』は、ロシアの”29155部隊”と呼ばれる諜報機関の一組織が17年に独立運動に介入し、「(スペイン情勢の)不安定化を図ろうとした可能性がある」としています。
ですが、同州の独立がロシアにとって不利益になるという声もあります。ラジオ局エコーモスクワでは過去に国際政治問題に詳しい専門家がカタルーニャ独立運動について言及、「カタルーニャの独立機運がロシアに飛び火すれば、ロシア国内の少数民族の独立運動が活発化する恐れがある(趣意)」とコメントしたことがあります。
ロシアは2016年の米大統領選や英のEU離脱国民投票などに不正に介入したとされ、欧米諸国から非難されていますが、ロシア側は一貫して介入の事実を否定しています。