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ロシアニュース:政府の相次ぐ情報管理強化。反Apple法の成立間近

ロシアでメディア報道や情報を規制する法案が国会で相次いで発表されており、メディア各社が神経を尖らせています。

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画像はDWより

リア・ノボスチ社は19日、同国下院の第2読会(第3読会が最終議決)で、ロシア政府が認めた独自のソフトウェアを搭載したパソコンやスマートフォンしか販売できない法案が通ったと伝えました。

 

立案した議員らによると、「IT分野で幅を利かせている海外の大手企業からの脅威の軽減と国内産業の保護」が目的とのことです。

 

BBCロシア版によると、同法案に対しては国内の電子機器業界がつくる協会が反発を強めており、代表者らは「国内市場の成長が鈍化し、価格の高騰や企業の国外逃避を招くだけ」と語っているとのことです。

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画像はTHE BELLより

同法案は業界では「反Apple法」と揶揄されていて、Apple社のeSIMと呼ばれる政府によるスマホの中身の監視を阻止できる技術に議員らは目を光らせているとのことで、同技術については、特に今年4月にFSB(旧KGB)が導入に反対を表明したとのことです。

 

この他、政権に批判的な独立系メディア”メドゥーザ”は、「海外エージェント法」の個人(自然人)への適用拡大が同じく下院第2読会でほぼ全会一致で可決したと報道しました。

 

同法はもともとプーチン政権下で、海外から資金的な支援を受けている法人に対して検察による監視を強化できる法案でしたが、今後はその適用範囲が個人にも適用される可能性が高まってきました。

 

ロシアでは今週、国内最大のIT企業で検索サイトの「Yandex」の社内に政府に関係の深い”公共福祉基金”なる組織ができあがりました。強い発言権が与えられた人物が同組織から2人生まれることになり、早くも「国家による情報管理」の触手が伸びつつあるとの批判が相次いでいます。

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vc.ruより