ロシアがウクライナに侵攻して以降、国内の反戦活動家への厳しい弾圧が続いています。
もともと言論の自由が抑圧されていた国ですが、治安当局による一時拘束のための許容ラインが明らかに大幅に下がっています。
本日は、ロシア本国で最近人気が急上昇しているSNS交流サイト「テレグラム」より、生の市民のニュースをいくつかお伝えいたします。
ある独立系マスメディアのジャーナリストが、内務省のイベントに参加した後、警察に連行されました。上の方の写真では、彼女がウクライナの国旗を連想させる衣装で登場していたので、それが拘束の理由ではないかと言われています。
あるメディアは、「今となっては、衣装がカラーであるだけで拘束される」と皮肉っています。
「戦争は多大なる悲しみをもたらすゆえに、忘れることはできない。好戦的な計画を練る者に酌量の余地は与えられない。」
男性の持つこの言葉は、実はプーチン大統領自身の過去の発言です。男性はこの紙を外に持ち歩き公の場で見せびらかしたため、30,000ルーブルの罰金が課されました。完全に矛盾しています。
写真の男性は、モスクワ赤の広場にて、文豪トルストイの傑作『戦争と平和』の本を持って立っていたため、警察当局に拘束されました。
ロシア語で平和は「мир (ミール)」と言いますが、今やこの文字を公の場で提示するだけで、拘束されているのが現状です。
プーチン政権はこのウクライナ侵攻を「特別作戦」と称し、「ネオナチ化したウクライナから同胞を解放する」という大義名分で世論を味方につけています。
つまり、”平和のために”ロシア軍はウクライナで特殊作戦を実行しているという物語を通しているのです。
下の写真のプーチン支持イベントでは、見ての通り、МИРという言葉がでかでかと掲げられています。(「ナチズムのない平和のために」)
皮肉にも、ウクライナへの侵攻を許さないとする西側と同じ考えを持った国内のロシア人の反戦活動家らは、戦争のないウクライナの地での同じ「平和」を訴えることで拘束されてしまっているのが実情です。