ロシア語の学習に熱が入っている生徒さんほど、よく
「リスニングが聴き取れません」とか、「ロシアのドラマとかニュースが全然聴き取れません」などと相談されます。
ですが、私はこれは当然のことだと思っています。
至極当たり前の話ですが、
自分が紙面上で読んで理解できないロシア語の文章は、それと同じ文章のリスニングを聴き取ることはできません。
なぜなら、紙面上の文章読解とは違い、リスニングは聴き手の理解するスピードに合わせてくれず、次へ次へとどんどん流れていくからです。
このことから、もしあなたがあるロシア語のドラマやニュースを聴いていて、太刀打ちできないと感じたのであれば、それはあなたがその原文のテキストを読解するレベルまで達していないということになります。
つまり、そのドラマなりニュースなり、リスニング教材なりで使われている単語や語句、文法構造などに、あなたの学習レベルがまだ追い付いていない、という単純な話ということになります。
もし、あなたが初級者~中級者で、
Здравствуйте! Меня зовут Сергей. Я приехал из Москвы.
という上のロシア語の文章を左から右に流し読みし、直ぐに内容を理解できるのであれば、この程度のレベルの文章のリスニングは何回か聴いていくうちに理解できるようになります。
上の文章では「移動の動詞」や「из+生格」という文法事項が使われています。
もし、これらをいちいち確認しながら丁寧に意識的に読んで初めて意味がつかめるという「やっとこさ」のレベルであれば、内容的にもっと難しいニュースや俗語が多いドラマを聴き取れるはずがありません。
結論として、あなたのリスニングの聴き取り能力は、いつもあなたの文章読解レベルよりも下にあります。
簡単な話ですが、意外とこのことに気が付かず、「自分には語学の才がない」と落ち込んでいる人が少なくないです。
逆に言えば、リスニングの能力を引き上げるためには、まず、あなたが紙面上で読んでいる文章の難易度を上げることが大切になっていきます。
もっとピンポイントでいうと、ニュースの聴き取りがうまくなりたい人は、それと同じような分野のニュースのテキストを多読し、単語や語句を知り、ニュースで使われやすい言い回しや文法事項をまず紙面上で学んでいくことで、徐々にニュースが聴き取れるようになっていきます。
ドラマであれば、口語や俗語がふんだんに使われたテキストに多く目を通し、その都度、意味を理解していくことで、徐々にドラマの内容が理解できるようになっていきます。
意味も分からないようなドラマを何となく眺めるような日々を過ごしても、語学能力の向上にはあまり寄与しません。
ロシア語のリスニングの教材をお持ちの方は、同じテキストを何度も聴いて「やっぱりわからない」のであれば、それはまず、そのテキストの内容自体がそもそもあなたのレベルに合っていないということです。
その場合、正直にあきらめて、まずはそのテキストに書かれている
①単語や語句、文法事項を丁寧に調べあげ、
②テキスト全体を5回~10回自分で音読し、
③音読しながら、書いてある内容を同時に頭で理解できるようにさせ、
④最後にリスニングのCDを聴き、理解する。
というプロセスでいくと、だんだんとロシア語の聴き取れる範囲が広がっていきます。
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