こんにちは。
中島です。
本日はロシア語の集合数詞について、問題形式で語ってみようと思います。
集合数詞はТРКИやロシア語能力検定試験の上級でも頻出なので、ぜひチャレンジしてみてください。
解答・解説は問題文の下(↓↓↓)の方に記載しております。
【問題編】
問:次のロシア語の文章の中の( )内の単語を文脈に沿うように正しく変化させ、全文を和訳せよ。(レベル:ロシア語能力検定試験1,2級程度)
Старший брат уехал вперёд, младшие дожидались, пока за
ними ( трое ) приедет мать.
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
【問題NO.1:解答・解説編】
●( )内の答え:троими (最初のиにアクセント)
●日本語訳:(一番上の)兄は先に去ってしまったが、3人の弟たちは母親が迎えに来るまで待っていた。
-解説-
трое(3)は集合数詞です。集合数詞はдвое(2), трое(3), четверо(4), пятеро(5) .... десятеро(10)の9個しか存在しません。(※ただし、”両方の”を意味する оба を集合数詞のカテゴリーに入れる文法学者もいます。)
集合数詞の性質をまとめると以下の6つの語法のルールがあります。
①男性活動体名詞とともに用いる。
例) двое мужчин(2人の男性), трое студентов(3人の男子学生)
②дети, люди, 動物の子どもを表す単語とともに用いる。
例) семеро козлят (7匹のこひつじ), двое детей (2人の子ども)
③複数形しか存在しない単語とともに用いる。
例) пятеро часов (5個の時計), четверо саней (4つのソリ), трое ножниц (3個のハサミ)
④単独で、”~人”と表すことができる。
例) Нас трое. (私たちは3人です。)
➄女性活動体名詞、動物を表す単語とともには用いらない。(※ルール①②の裏返しです。)
例) три сестры (3人姉妹), пять медведей (5匹の熊), шесть девушек (6人の女の子たち)
(※➄の場合、普通数詞を代用する。)
⑥集合数詞にかかる名詞は常に複数形で変化する。
двое зайчат (2匹の子ウサギ:зайчонокの複数生格), троим братьям (3人の兄弟:братの複数与格)
集合数詞はここまでにして、本文に入っていきます(↓↓)。
Старший брат уехал вперёд, младшие дожидались, пока за ними троими приедет мать.
◆дожидаться(不完)は、「~が来るまで待つ」という動詞です。
◆当文においては пока は副詞ではなく、接続詞として用いられていることがわかります。文がアポストロフィー( , )で区切られているからです。
接続詞として用いられる場合は、「Aが~している間にBは~する、Aが~するまでずっとBは~する」といった意味になり、登場人物が複数存在することが多いです。
◆за + 造格:~を求めて、~(人)を迎えに。
当文では、они трое という2つの並列の単語がともに造格変化し、”3人(の弟たち)を”迎えに母親が来るということです。
当文では文脈上、ルール④が当てはまります。
◆形容詞 младшие の後には братья が省略されています。
一般的に、口語ではよく名詞や動詞の省略が見られます。
例) Мигранты работают, а наши не хотят. (移民らはよく働くが、我々ロシア人はそうではない。)
【重要単語】
●вперёд(副詞):先へ、前へ
●дождаться(完):~が来るまで待つ
●пока(接続詞):Aが~している間にBは~する、Aが~するまでずっとBは~する
●трое(集合数詞):3つの、3人
●уехать(完):(乗り物で)去る
●приехать(完):(乗り物で)来る
以上です。