現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

~ロシア語ガチ勢のためのブログ~

名詞や形容詞の変化表は、ロシア語の例文を覚えていくうちに自然と覚えていきますか?(ロシア語の生徒さんからの質問集!!NO.21~NO.25)

私は通常、だいたい15名の方にロシア語をオンラインと対面方式でほぼ毎日教えております。その中で、受講生さん達から日々質問を受けます。その中の一部をこれより定期的に配信していきます!あなたのロシア語学習の一助、最低でも励みになれれば幸いです。

 

ロシア語生徒さんからの質問 NO.21

 

● 「ロシア語はどこまで語順が自由ですか?」

 

🚩回答: 
 ロシア語は語順が自由というのは、語順を変えても、大まかな意味は外れない、ということです。語順を変えることによって、ニュアンスががらりと変わってしまうことは往々にしてあるので、注意が必要です。

 一般的に、語順が変わるとき、後ろに来る単語程、発話者がそれを強調したいというパターンがあります。

例1) Отца убил не ты. 父さんを殺したのは君ではない(誰かが殺したことは確かだが、それは君ではない。)

 

例2)Сад у них очень красивый. 彼らの庭園はとても美しい。

 

例3)Я даже не предполагала, что победителем буду именно Я!

まさにこの私が優勝者になるなんて、全く想像さえつかなかった。

 

例4)Ко мне друг приедет уже завтра. 
私のところに友人が来るのは、もう明日のことだ。

 

語順が変わっているかどうかは、たくさんロシア語の文章を読まないと慣れないかもしれませんが、慣れたら、だいたい左から語順通りに日本語に正直に訳していくとしっくりくることが多いです。

 

****************************************************************************

ロシア語生徒さんからの質問 NO.22
🍏質問:「名詞や形容詞の変化表は、ロシア語の例文を覚えていくうちに自然と覚えていきますか?」

 

🚩回答: 
覚えていく変化もあるでしょうが、全て覚えるのに膨大な時間がかかってしまい、あまり効率的とはいえません。

我々はネイティブスピーカーとは違って、1日のロシア語の勉強に割ける時間が決まっています。社会人であれば30分~90分くらいでしょう。

その少ない時間で、”自然と”変化表が頭の中で理路整然と記憶されていくとは考えにくいです。

お勧めの効率的な学習方法としては、文法書を読み進めていく中で、新しく出てきた変化をその都度表で覚えていくことです。

例えば今日「名詞の複数造格」を新しく勉強したのなら、この変化表を1週間、毎日5分間ノートに書いて復習するということをしていけば、定着しやすいです。

変化表はエクセルなどで、穴埋め方式にして、簡単なテストにするとご自分の知識の定着度を客観的に測ることができます。

****************************************************************************

ロシア語生徒さんからの質問 NO.23
🍏質問「импортозамещение とは何ですか?」

 

🚩回答
最近、ロシア語のニュース記事でよく見られる用語です。

 日本語だと、「輸入代替措置」との定訳がついています。
ざっくりいえば、「輸入に頼らずに、ロシア国内の産業を殖産していこう」ということです。

 ロシアはウクライナ侵攻後、西側諸国からの厳しい経済制裁を受け始めました。ロシアはもともと、海外から原料や部品を輸入し、国内で加工するという形態を持つ産業が多い国です。今後、制裁や禁輸が長引くと海外から原料が入ってこなくなり、自国内だけで経済を回すことが困難になっていきます。

 こうした事態を回避するため、ロシア国内だけで産業サイクルを自己完結できるような仕組みを整えることが急務となっています。海外産の原料をロシアで確保できる原料に代替する、などといった計画があります。

 もともと импортозамещение の概念自体はクリミア編入の2014年頃から積極的に議論されてきました。ITやハイテク分野での国産化などが目指されましたが、目覚ましい成果が挙げられたというわけでもなく、ずるずると現在まで延ばされていき、皮肉にもウクライナ侵攻によって「待ったなし」という状況についに追い込まれているというような印象を私は受けます。

 ロシア人の中には「輸入代替措置」の実現に懐疑的な人も多く、このワードがすでにロシアンジョークとして議論や日常会話で頻出するという皮肉な状況も生まれています。

****************************************************************************

ロシア語生徒さんからの質問 NO.24

🍏質問「ロシア語の勉強のモチベーションが最近上がりません。」

 

🚩回答
 どんなに好きなことに励んでいても、倦怠期はあるかと思います。
そんなときは自分のロシア語の勉強スタイルを変えてみるとか、ロシア語を続けることの意義を改めて見出してみるなどが重要かと思います。

 私が昔からお勧めしているのは、ロシア語圏の友人を探してみることです。特にロシアやキルギスなどでは、日本の文化に強い興味を抱いている人も多く、日本人と友達になりたいと考えている人もかなり多いです。

 もともと新生ロシア(ソ連崩壊後のロシア)では、若い人を中心に東アジア(韓国、日本、台湾など)の独特な文化、暮らしに関心を持つ人々が一定数います。

 ロシア語学習者が若い世代であれば、SNSやペンパルサイトなどを通じて、ロシア(語)に関心を持っていることの旨をプロフィールに書けば、多くの現地の人から興味を持っているはずです。
 若い世代でない学習者であっても、同じような世代のロシア語圏の人とコンタクトを取れるのも容易になってきています。

 写真は22年3月に、モスクワで日本式庭園が開かれた際のニュースです。

 ロシアは知日、親日家が多いですので、積極的にロシア語で書いたり、話したりして、自分の意図するロシア語が少しでも相手に通じれば、大きなモチベーションにつながるはずです。

是非、刺激になるような勉強法も模索していただければと思います。

****************************************************************************

ロシア語生徒さんからの質問 NO.25

🍏質問「все と всё は何が違うのでしょうか?」

 

🚩回答
どちらとも「すべての」という意味の同じ単語です。
 形容詞ではないのですが、形容詞的な変化をする単語の一つです。

つまり、結びつく名詞の性によって変化する単語ということです。

 

男性単数: весь
女性単数: вся 
中性単数: всё 
複数: все 

 

 「すべての」というからには複数形のみになりそうですが、単数形にこの単語が結びつけば、❝一つの単体に対して遍(あまね)く全体的に範囲が及んでいる❞という意味の「すべて」になります。

 

例えば、
весь мир: 全世界
вся страна: 一国全土
всё тело: 身体全体
все страны: 全ての国々

 

「世界」というのは1個しか存在しないので、весь がつけば、世界全体という意味になります。

 

ただし、всё, все の2つに関しては、名詞的な働きをする意味も別に持っています。

всё は「あらゆるもの、すべてのもの」、все は「すべての人々」という意味も別個にあるので、注意が必要です。

 

Всё кончено. すべてが終わりだ。
Все покинули город. みんな町を去ってしまった。

前述の「形容詞的なвсё」なのか、「名詞的なвсё」なのかは文脈判断となります。

 

****************************************************************************

 

いかがでしたでょうか?

当ブログのツイッター版では、穴埋め問題の他にも、

●単語問題

●和訳問題

●ロシア語の勉強法

 

など、ロシア語学習に有益な情報をほぼ毎日発信しております。

是非、フォローをお願いいたしますm(__)m

twitter.com

 

以上です。

本日もありがとうございました!

 

※現在、ロシア語の受講生様を追加募集しております。