現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

~ロシア語ガチ勢のためのブログ~

「ロシア語の翻訳はお金になりますか?」ロシア語の生徒さんからの質問

最近、ある受講生の方から、「ロシア語の翻訳はお金になりますか?」と質問を受けましたので、私の回答を書かせていただきます。

 

🚩回答

 お金にはなりますが、フリーランサーとしてこれだけで生計を立てていくのはいばらの道だと思います。

 翻訳は一単語につき~10円、もしくは1ページにつき~円などといった計算方法で翻訳会社から報酬の提案が来ることが一般的です。

 量が多ければその分だけ稼げますが、辞書さえあれば日本語にすぐ訳せるような文章やテキストは基本的に依頼されません。

 簡易な文章であれば、依頼主の会社にいるそこそこロシア語がわかる職員に翻訳させたり、内容の厳密性がそこまで問われないようなテキストであれば、google翻訳にかけたりして事足りるからです。原文の内容が複雑で難解だからこそ、わざわざお金を払って外部に委託するのです。

 

 ロシア語では産業翻訳(工業、プレゼン資料などのビジネス上の実用性の高い文章)が現実的に需要があります。実用性が高いということは、ロシア語だけでなくそれなりに専門的な知識を求められます。勿論、翻訳者は依頼を受けた原文の業界に詳しくないので、精密な調査が求められます。

 

 

翻訳は調査力が命

 翻訳業界では「8:2の法則」というものがあり、調査している時間が8、残りの2は翻訳している時間です。翻訳している業界の調査をしていないと誤訳に繋がります。これを知っているプロほど地道な調査には余念が無いため、結果的にこのような比の値(8)になります。

 

 例えば、отбеливатель は辞書には「漂白剤」と記載してあります。ですが、依頼主の会社が属する業界が「ある原材料の色を抜く」という意味でこの洗剤を「脱色剤」と呼ぶ習慣があったり、単に「ブリーチ」というルールがあった場合、仕上がった翻訳を見た依頼主は「漂白剤」という単語にすぐさま違和感を覚え、翻訳の質に対する不信感を高める可能性があります。

 こうならないためにも翻訳者には綿密な調査が常に求められるわけですが、調査を含めた総合的な翻訳時間から報酬を考えると、実は巷のアルバイトの方が割りに合っているということも多々あります。

 

翻訳で稼ぐためには?

 翻訳で生計を立てて生き残りを図っていくためには、中抜きをする翻訳会社を介さずに、依頼主にダイレクトに営業し、いかに単価を上げていくことがフリーランサーとしての努力のポイントとなっていきます。

 

 私個人は地味で暗い翻訳作業に耐え切れずに20代の頃に専業としては諦めました。

私の知人には、英語ですが、翻訳だけで生活している人もいます。絶え間ない営業努力の結果、一年の180日は海外旅行をしながら滞在先で仕事をしている夢をかなえたようです。

 

英語の需要は?

 ただし英語は市場も大きいですが、途方もないほどライバルが多いです。

翻訳会社に登録する際に、まず翻訳者の実力を測る「トライアル」と呼ばれる試験があります。

 ロシア語希望者はメールを送ればトライアルの試験をすんなり送ってくれるのですが、英語は応募者が殺到しているので、答え合わせをしてもらうために1万円など、お金を払わなくてはいけないケースもあるほどです。

 

 英語はロシア語と違って、無双のようなプロがゴロゴロいるので、英語は英語なりの困難さがあります。

 英語でお金を稼ごうと大人になって勉強を始めると、そういったプロのライバルを蹴落とす必要があります。そのプロのライバルは随分と昔から英語に励んでいます。この溝を埋めるのは非常に困難です。ロシア語はロシア語で需要が少ないですが、英語は英語で別の壁が立ちはだかっています。

 

 

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