こんにちは。
文法を勉強していたり、ある程度習得した後にロシア語の映画やドラマを見たりしていると、まったく聞き取れない、単語がわからない、などと混乱する経験はないでしょうか?
それもそのはず、ロシア語は日本語と同様、文章で書かれる言葉と口語が全く違うからです。私たちは最初に外国語を勉強するとき、まずは参考書などの例文を見ながら、構文を理解していきます。
ところが、その例文はあくまでも文法を理解しやすいようにわざと作られた例文であり、きちんと主語と述語が整っている文であることが多いです(もちろん、口語的な表現も少なからず中にはあります)。
現実のネイティブ同士の会話では、まず、я とか ты とかはほとんど省略されるし、場合によっては動詞さえも省略されてしまいます。
例) Стремянку бы. はしごさえあればなあ。
私は昔はよく教科書や辞書に記載されている例文をそのまま暗記し、ネイティブの前で必要に応じて発言していましたが、聞き手からしてみたら、おそらく相当堅苦しい表現に聞こえていたでしょう。
上述の通り、学習者用の例文は主語と述語がわざとらしくきちんとそろっており、会話では前に出てきた情報などを含む単語などはどんどん省略されていくからです。
紙面上に書かれたロシア語と会話のロシア語の乖離は単語レベルでも顕著です。よく単語を沢山覚える英単語マニアみたいな人がいますが、難しい単語を自分が使ったところで相手に非常に不自然な印象を与えることが多いです。
一般的に、語学学習者は勉強を積み重ねていくうちに、新しく覚える単語や句が口語的なのか、堅い言葉なのか、どういったシチュエーションで使われるのかということも段々と分かっていかなければなりません。
なぜなら、高レベルな単語や詩的な表現はそれぞれ、元来難しい文章や詩などで使われる単語であり、会話では使用されることが避けられやすいからです。こういったことを考慮せず、見境なくあれもこれもと会話で使ってしまうと、私のようにいつかネイティブに「あなたは文章のレベルと単語のレベルが合致していない」と言われてしまいます。
①学術的な文章 ➁メール ➂会話 この順番に、簡単かつ日常的な単語が使われやすくなっていきます。また会話では、который や副動詞、形動詞は使われない場合が多く、一つひとつの文が短くなっていきます。
もちろん、初心者の頃は基本的な文法をしっかりと固め、きちんと整理された例文を沢山見ることが大切です。
ですが、上級者に近づいていくにつれ、ドラマや映画などで使われている口語的な表現も多く覚えていくことが求められていきます。
以上です。
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