現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

~ロシア語ガチ勢のためのブログ~

コロナ禍における新しいロシア語単語:”濃厚接触者”は何というか?

こんにちは。

 

あらゆる言語がそうかと思いますが、ロシア語も毎年新しい造語が次々に生まれています。日本人にとって、一番スタンダードで頼りになるのは研究社の露和辞典かと思いますが、それをもってしてもカバーできないことも日常茶飯事です。

 

googleで検索することをいわゆる「ぐぐる」と言いますが、ロシア語でも今やгуглитьと言います。この単語はまた、インターネットで検索する行為そのものをさす場合があります。

 

さて、日本では”withコロナ”のこの黎明期において、にわかにZOOMが人気を博しています。私もロシア語の受講生さんたちとZOOMを用いてコミュニケーションをとっていますが、機能性が充実しております。

 

このZOOMで話す行為をロシア語では、зумиться と言うそうです。以前より、SMSでコミュニケーションを取ることを СМСиться という動詞で表す動きはありました。もちろん、両者とも公式の場や文章で使うことはできません。  

 

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日本でも耳に馴染んできた横文字の「リモートワーク」、ロシアでは俗語で удалёнкаと言います。 この言葉は、以前であれば、専らフリーランサーの仕事のみを指していましたが、コロナ禍では休校中の通信教育までもさすようになったようです。

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「リモートワーク」とは名ばかりで、実際にする仕事がなくなり自宅待機になっている人も多いはずです。同じシチュエーションをロシアではкарантин(自宅待機)と長期休暇(каникулы)を併せて、карантикулыと呼ばれ始めました。

 

新型コロナウイルス感染に関する造語も生まれています。(濃厚)接触者はконтакныеという単語がこれを表し、原義は「疑わしい」という形容詞のподозрительныйは、それが名詞として「感染が疑われる人」を意味するようになっています。

 

一般人が手に塗る消毒液はсанитайзерと呼ばれ始め、またCOVID-19の名称から、ковидный という形容詞までも登場してきました。例えば、ковидный пациентでコロナ患者、ковидный госпитальでコロナ感染専門の病院、といった具合です。

 

5月中旬現在、ロシアは感染者が急増し世界第2位を記録しました。ロシアではマスクをする習慣が今までありませんでした(日本に来るロシア人がよく、冬に当たり前のようにマスクをする日本人を笑ったり、感心したりしていました。)が、ここにきて外出時のマスク着用義務までに至りました。

 

こうした異常事態に、マスクや防疫関連の言葉も登場、防護服姿やマスク・手袋を着用する人を皮肉って коронавт と言い、逆にこの時期に及んでマスクをしていない人をголомордый (голоは裸、мордаは顔)と呼ばれています。

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коронавт

また、自宅待機(самоизоляция)時に食料品店に駆け込み、買い占めする人のことをмакаронавирусと皮肉ります。

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макоронавирус

この他、英語でもそうらしいですが、長引く自宅待機が原因で生まれてくる子どもやコロナ時代に”オンライン”でのコミュニケーションに適応していく世代の子どもをкорониалと言うそうです。

 

こうした新語のほとんどは後に消えていきます。ですが、中には後々辞書に記載されるまで生き残る単語も出てくるはずです。以上です。

 

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