ロシアで著名な経済学者のセルゲイ・アレクサーシェンコ氏は独立系ラジオ局エコーモスクワの生放送番組に出演し、
同国議会で議論が進んでいる憲法改正について、「改正はプーチン大統領が自身に有利な政治的空間を創造し、絶対的な権力を手中に収めるために必要な政治工作だ」とプーチン氏の戦略を揶揄しました。同ラジオ局が伝えています。
ロシアでは最近、議会など国権の主要機関の構造を大きく修正するための憲法改正について議論が活発化しています。
ですが、その主要な目的は2024年に大統領職の任期を終える予定のプーチン大統領が退任後も院政を敷くための下準備であるというのが大方の見方です。
アレクサーシェンコ氏は放送中、「(憲法改正は)プーチン氏が将来的に行う政治決定に誰も拒否できないようにするための保険であり、政敵の一掃作業でもある」と主張、
そのうえで「改正案の目玉は、憲法裁と最高裁の罷免権を大統領に付与し、地方自治の権限をクレムリンの権力に垂直統合させることだ」と述べました。
同氏は、プーチン氏が司法権のコントロールを掌握する必要があるのは「憲法改正を自身の意向に沿うようにさせるため」と発言、
「裁判官が自身の良心に従って判断することがプーチン氏にとっては危険だ。同氏がよく使う”強固で、安定、信頼ある政治”という言葉のわりには、現実にはその真逆の思考が憲法改正案に反映されている」と批判しました。