こんにちは!
私は過去の生徒さんたちに、「単語や例文は覚える必要はあるが、覚えておく必要はない」と指導してきています。
人間の頭はエクセルではないので、単語や例文をインプットしても
復習してみると覚えていないものの方が多いです。
初めて見た単語をその時覚えて1週間後に復習した場合、せいぜい
全体の1~2割くらいしか覚えられていないはずです。
それはあなたの記憶力が悪いのではなく、
人間の脳の構造としての記憶容量の限界ですので、
落ち込む必要は全くありません。
新出単語は何回も何回も忘れて、初めてあなたが操れる単語となります。
ロシア語学習者のほとんどが”手”を рука と覚えているのは、
いろんなテキストや単語帳で幾度となく遭遇する単語だからです。
逆にいえば、より多くの単語を使いこなせるようになるためには、
速く記憶と忘却のサイクルの回転率を上げる必要があります。
だから、本気でロシア語を愛する人や誰にも負けたくない人は、
鬼のように単語学習をしてください。
具体的な学習法の一例をあげます。
①まず単語ノート(単語カード)に日本語で単語を書いて下さい。
②それをロシア語で言えるかどうかチェックしてください。
③わからなかったら、答えを見てペンで書き、10回音読してください。
②の段階では、5秒考えても思い出せない場合は、いさぎよく諦めて答えを見て、
すぐ③に移ってください。
③では、その勉強している空間・その時間内で自分で答えを見ずに覚えられれば、それで全然OKです。
①~③を1回やったとしても、どうせまた忘れます。
その時は、これと同じサイクルを機械的に繰り替えしてください。
あなたがもし、流暢なロシア語会話力を身に付けたい場合、
特に③の音読を、何かに取り憑かれたかのようにバカになって、
大量に行うと良いでしょう。
ロシア語の単語は頻出&基本単語なのにも関わらず、
スペルが長くて複雑な単語も多く存在します。
例えば、「広がる」「拡散する」はロシア語で
распространятьсяといいます。ロシア人は会話でよくこの単語を使います。
さて、私たち日本人がこの単語を使いこなしたい場合、
一回単語帳で勉強しただけで、操れるようになれるでしょうか?
答えは当然、NOです。全然、NOです。
非ネイティブであるあなたがこの単語を会話で用いられるようになるためには、
最低でもこの単語を単体で「ラスプラストゥラニャーツァ」と
よどみなく普段から言えておく必要があります。
だから、自分で発音した単語を自分の耳で聞こえるようにする”発音”
という筋トレが必要になってくるのです。
上の単語をあなたがもし初めて聞いたならば、最初は発音しづらいでしょう。
だから、最初の何回かはゆっくり、ゆっくり発音してください。
そうすればそのうち、普通速、倍速で言えるように口が慣れてきます。
口が慣れないうちは、絶対にこの単語を会話で使えません。
この作業を忘れては覚え、忘れては覚え、を繰り返せば、
あなたは徐々にこの単語を会話で使えるようになっていきます。
ロシア語が話せない、ロシア語は難解で無理だ、とぼやく人は
才能がないわけでは絶対にありません。単なる努力不足です。
努力しているようで、していないことが99%です。
同じ単語を何回も発音し、忘れたらまたそれを繰り返す。
確かにこの作業は単調で、つならないです。
でも、私が過去に見てきたプロの通訳の方々はこれをしていました。