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ロシアニュース:プーチン大統領、ウクライナ東部のジェノサイドを警告

プーチン大統領はクレムリンで行われた政府関係者会議に出席し、紛争が絶えないウクライナ東部とロシアとの国境の管理権をウクライナに委譲した場合、ジェノサイド(大量虐殺)が起きる可能性があると懸念を表明しました。REN-TVが伝えています。

 

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REN-TVより

情勢が不安定なウクライナ東部の和平を図るため、今月9日にロシア・ウクライナは独仏を交えてノルマンディー4か国首脳会議を3年ぶりに開催しました。

 

2014年に親ロシア派政権が崩壊したウクライナでは、直後に同国東部に親ロシア派武装勢力が台頭、ドンバス地域と呼ばれるこの地を事実上占拠しており、ウクライナ政府軍との紛争が続いています。

 

ロシアはウクライナ東部で影響力を拡大しているとして、国際社会から非難されています。

 

9日の首脳会談では年内の捕虜交換や停戦などについて合意がなされましたが、ドンバス地域とロシアとの国境をどちらが管理するかで妥結しませんでした。

 

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REN-TVより

プーチン大統領はこの点について首脳会談後の10日に言及、「ウクライナ政府がドンバス地域の住民の安全を確保しないまま国境管理権を握ったならば、(ウクライナの)ナショナリストらが”第2のスレブレニツァの虐殺”を引き起こす可能性がある」と警告しました。

 

スレブレニツァの虐殺はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時の1995年に起きた大量虐殺事件で、第二次世界大戦後の欧州最大の虐殺事件です。

 

プーチン大統領としては、ウクライナ東部を巡る今後の協議で、国境管理権に関してウクライナに妥協しないことをほのめかした発言と思われます。

 

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REN-TVより