現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

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世界情勢クイズNO.6~北朝鮮問題~わかりやすい解説付き

当記事を覗いていただき、ありがとうございます。

中島です。

 

前回に引き続き、世界(国際)情勢に関するクイズ(NO.6)を書きたいと思います。公務員試験や大学入試センター試験、就職試験・SPI等の時事問題へ向けた練習になるよう努力致します。情報元は日経新聞や読売新聞です。

 

クイズは二段階形式で、

記述を読んで正誤を判断する問題を1問とその解答・解説、

②その回の問題の復習として、一問一答形式の問題緑色のフォントで出題します。

 

 

正誤判断形式の問題 NO.6

 

問:  下の世界情勢に関する記述の正誤を判断しなさい。

 

(記述)

『相次ぐミサイル発射や核実験で極東に不安定な情勢をもたらしている北朝鮮に対し、安倍政権は「対話」ではなく同国に対する経済制裁を用いた「圧力」での解決を国際社会に訴えている。北朝鮮の弾道ミサイルの技術向上が自国への脅威になると懸念する米国も日本と基本的な考え方を共有する。ただし、周縁諸国ではあくまでも「対話」を求める中国と韓国、アメリカが対立を深めているロシアなどとの温度差があり、北朝鮮問題解決への糸口は容易には見えてこないのが実情だ。』

 

f:id:Worldaffairs:20180927233207p:plain(写真は北朝鮮の建国70周年記念軍事パレードの様子 euronewsより)

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(解答・解説編)NO.6

 

 妥当な記述である。

 

相次ぐミサイル発射や核実験で地域の不安定化をもたらす北朝鮮に対し、安倍政権は「対話」での問題解決ではなく「圧力」を強化する方針を打ち出し、対北朝鮮制裁が履行されるよう国際社会へ協調を呼びかけています。

 

同調するトランプ政権

北朝鮮は昨年(2017年)も核実験を強行し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」の試射に成功しました。

 

実験では同ミサイルが米国東海岸に到達できる程度の航行距離をもつことが証明されました(実際にミサイルに核爆弾を載せて攻撃できるほどの技術があるかどうかは意見が分かれています)。

 

これを自国への完全な脅威とみなした米国は、同年春、朝鮮半島近海に原子力空母を派遣し北朝鮮を牽制しました。

f:id:Worldaffairs:20180928001433p:plain

(北朝鮮の大陸間弾道ミサイル「火星15」 theblazeより) 

 

安倍政権は米国に対し、北朝鮮に圧力をかけるよう働きかけ続けています。日本は現在、迎撃ミサイル(北朝鮮からの弾道ミサイルを迎え撃つことを想定したミサイル)を搭載したイージス艦を数隻、日本海に展開させています。

 

また、陸上に配備する迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の設置場所も検討している最中です(2018年9月)。

 

このように北朝鮮の軍事情勢を自国の安全保障上の大きな危機とみなすのは日米両国とも同じであり、対北朝鮮の経済制裁や防衛政策で両国は歩調を合わせています。

 

 

近隣諸国との温度差

しかしながら、日米と中・露の対北朝鮮政策には温度差が見られます。

 

(中国)

中国は共産党による一党独裁国家でありゴリゴリの民主主義を掲げる米国の影響力が国内に侵入するのを警戒しています。

 

仮に北朝鮮の金家が滅び朝鮮半島が米国の同盟国である韓国に統一されると、中国は米国の同盟国と隣接してしまうことになります。現在の北朝鮮は中国にとってはまさに「緩衝地帯」であり、経済制裁を通した徹底的な圧力ではなく、半島の安定化を維持したいのが本音です。

 

(ロシア)

ロシアも中国と同じであり、米国の極東アジアへの影響力拡大を恐れています。ロシアはクリミア半島編入後に米国とは関係が悪化し、対北朝鮮政策でも意見に相違が見られます。

 

日米が経済制裁で周辺諸国に協調を求めても、中露はともに北朝鮮から石炭を密かに輸入するなど密貿易を行っていると考えられています。

 

 

韓国と米国の温度差

 

(韓国)

韓国は日米と同盟国でありながら、融和路線に転じていると報じられています。

 

今年6月に行われた史上初の米朝首脳会談では、具体的なプロセスは示されなかったものの、朝鮮半島の完全「非核化」へ向けて取り組んでいくことを約束しました。

 

 

f:id:Worldaffairs:20180928012350p:plain

(2018年6月 米朝首脳会談  ロイター)

 

米国や日本はあくまでも、非核化の後に経済制裁を解除することを目標としていますが、韓国は開城(ケソン)工業地帯が象徴する北朝鮮との経済的な交流を重視する傾向があり、制裁解除を求める声が大きいとされています。

 

今年9月に行われた南北(北朝鮮と韓国)首脳会談では、韓国の文大統領が訪朝の際に財閥の主要メンバーを同行させており、ビジネス分野を通じての融和を図るようなムードが演出されました。

 

米政権は、韓国による南北融和路線を警戒していると思われます。

 

一問一答形式問題 

 

(19) 北朝鮮はミサイルの技術向上を図っており、近年では計算上、米国を射程内に収める(   )というミサイルの試射実験に成功し、米国を強く刺激した。

 

(20) 安倍政権は安全保障面での対北朝鮮政策で米国と考えを共有しており、米国の(   )の導入を進めている。

 

(21) 日米は北朝鮮の非核化が実現するまで、厳しい(   )による「圧力」の継続を訴えている。

 

(22) 日米の厳しい対北朝鮮政策とは対照的に、中・露・(  )は「対話」による解決や「段階的な非核化」、融和路線などの道を選んでいる。

 

 

 

 

 

 

(解答編)

(19) 大陸間弾道ミサイル (ICBM)

(20) 迎撃ミサイル

(21) 経済制裁

(22) 韓

 

以上です。

ありがとうございました!