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中島です。
前回に引き続き、国際情勢に関するクイズ(NO.5)を書きたいと思います。公務員試験や大学入試センター試験、就職試験・SPI等の時事問題へ向けた練習になるよう努力致します。情報元は日経新聞や読売新聞です。
クイズは二段階形式で、
①記述を読んで正誤を判断する問題を1問とその解答・解説、
②その回の問題の復習として、一問一答形式の問題を緑色のフォントで出題します。
正誤判断形式の問題 NO.5
問: 下の世界情勢に関する記述の正誤を判断しなさい。
(記述)
『インド洋に浮かぶ島国モルディブでは2018年9月に大統領選挙が行われ、親中・印派の野党モルディブ民主党のソリ候補が過半数を獲得し、親米派の現職ヤミーン大統領に圧勝した。モルディブ経済の大部分は中国とインドとの貿易に依存しているが、親中・印派の政権が誕生することにより、今後は一層両国との連携が強化されると考えられている。中・印は近年太平洋とインド洋で影響力を強めており、今回の大統領選の結果を受けたアメリカはモルディブ政府に懸念を表明した。』
(写真はモルディブの首都マレ(マレ島) Aviator. Aeroより)
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(解答・解説編)NO.5
誤った記述である。
モルディブで行われた大統領選挙では、インドや欧米に傾斜する野党のソリ候補が有効投票の過半数を獲得し、当選しました。中国寄りの現職ヤミーン大統領は敗北を認めましたが、このことは中国の現代版シルクロード広域経済圏構想「一帯一路」の展開に水を差す形になりました。
(写真は当選を歓ぶソリ候補 firstpost.comより)
●現職大統領による中国依存
現職大統領のヤミーン氏は親中派の大統領です。ですが、強権的な政権運営に国民の不満は高まっていました。中国が協力するインフラ事業に汚職の疑惑がかかり、また対中債務(中国に対する借金)の増大も相まって、中国への過剰な依存に国民は反発していました。
●中・印の代理戦争の様相
ヤミーン政権は過去に中国とFTA(自由貿易協定)を締結し、直近では輸入に占める中国の割合も20%に接近しています。また、同国がモルディブの島で軍港を整備するとの憶測も生まれ、南アジアで主導的な立場を自負するインドを刺激してきました。モルディブにおける中国の影を意識するインドは、今回の大統領選で親印の野党候補ソリ氏を資金の面でバックアップしていた、と各メディアは報じています。
●中国への打撃は限定的との指摘
ただ、パキスタンやスリランカなどモルディブと同地域の国々で影響力を行使し、着実に「一帯一路」構築を進める中国の勢いを、今回の大統領選で減速できるかどうかには疑問符がつきます。中国はソリ氏が運営することになる新政権の特徴を見守りながら、経済協力を含む関係構築を図っていくものと思われます。
●島国モルディブとは
モルディブはインド洋に浮かぶ多数の小さな島々から成る国家です。高温多湿の熱帯気候で人口はわずか40万人、主産業は観光業と漁業です。エメラルドグリーンの美しい海で有名ですが、2004年にはスマトラ島沖地震による津波で甚大な被害を受けました。イスラム教が国教。
(地図はOTOAより)
一問一答形式問題
(16) 2018年9月に行われたモルディブの大統領選挙では、( )寄りの野党候補が現職のヤミーン大統領を下して当選した。
(17) モルディブの政治は( )とインドの代理戦争に似た様相を帯びている。
(18)モルディブの現職大統領ヤミーン氏は過剰な( )で国民から不満を買っていた。
(解答編)
(16) インド(と欧米)
(17) 中国
(18) 対中依存