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中島です。
前回に引き続き、国際情勢に関するクイズ(NO.4)を書きたいと思います。公務員試験や大学入試センター試験、就職試験・SPI等の時事問題へ向けた練習になるよう努力致します。情報元は日経新聞や読売新聞です。
クイズは二段階形式で、
①記述を読んで正誤を判断する問題を1問とその解答・解説、
②その回の問題の復習として、一問一答形式の問題を緑色のフォントで出題します。
正誤判断形式の問題 NO.4
問: 下の世界情勢に関する記述の正誤を判断しなさい。
(記述)
『キリスト教ローマ・カトリック教会の法王庁(バチカン)は、中国で習近平政権が発足して以降、同国はカトリック教徒に対する信教の自由を大幅に認め始めていると評価し、法王ベネディクト16世が2018年9月に外交筋を通して公式の感謝状を送った。バチカンは台湾とも国交を結んでいるが、今回の中国との接近で同国とも国交を樹立するのではないかという見方も広がっている。』
(写真はカトリック教会の総本山、サン・ピエトロ大聖堂(バチカン) DIOCÈSE DE CAYENNEより)
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(解答・解説編)NO.4
誤った記述である。
バチカンのローマ法王庁は2018年9月、長年対立の元凶となっていた司教任命権を巡る問題で中国と暫定合意した。両国は1951年に断交したが、このほど歴史的和解への道を開こうとしている。
中国はバチカンとの断交後、中国天主教(カトリック)の政府公認組織である「中国天主教愛国会」を発足させ、司教については独自に任命してきた。カトリック教会では司教の任命権はローマ教皇の専権事項であるが、バチカンも中国も互いに相手が任命する司教を認めない状況が続いていた。
今回、中国側が任命した複数の司教をバチカンが承認するという合意がなされた。将来的にバチカンが再び中国と国交を樹立する可能性を指摘する声もある。
中国は国交を樹立しようとする相手国に対し、条件として台湾との断交を迫る外交手法をもつ。中国は台湾の独立を断固として認めないからである。
中国としては、バチカンと国交を再開することで自らの正当性を国際社会にアピールすることができ、また、対中交渉で強硬路線をとる台湾の蔡英文政権に対しても圧力を加えることができる。仮に中・バが国交を正常化する流れができれば、中国は欧州で唯一台湾と国交を樹立しているバチカンに対し、台湾との断交を迫る可能性が高いとされる。
(写真は台湾の蔡英文総統 フォーカス台湾より)
しかし、今回の暫定合意に関してはローマ法王庁に対する批判もある。中国には政府公認の独自のカトリック教会の他にも、ローマ法王に忠誠を誓ういわゆる「地下教会」が存在する。中国政府は依然として地下教会を厳しく監視し、信者の拘束や礼拝所の封鎖など信教の自由を厳しく制限しているため、今回の合意はバチカンが中国国内の実態を追認しているという認識を持つ信者から反発を招く恐れがある。
因に、現ローマ法王はフランシスコ法王。ベネディクト16世は前代。
一問一答形式問題
(12) 中国はカトリック教会の司教任命権に関し、( )との暫定合意に至った。
(13) 中国は国交を樹立しようとする国に対して、( )との断交を迫る外交上の大原則をもつ。
(14)対中交渉で強硬姿勢を示している台湾の現総統は誰か。
(15)ローマ・カトリック教会の現法王は誰か。
(解答編)
(12) バチカン(ローマ・カトリック教会法王庁)
(13) 台湾(中華民国)
(14) 蔡英文(ツァイ・インウェン、さい えいぶん)
(15) フランシスコ