現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

~ロシア語ガチ勢のためのブログ~

国際情勢(海外事情)に関するクイズ~ミャンマーの民族問題、他~

当記事を覗いていただき、ありがとうございます。

中島です。

 

私は高校生の頃より、国際情勢や地理に関するクイズを作成して、よく仲間たちに解かせていました。つい先日、ふとブログでもこの分野を新設しようと思いつきましたので、試しに作成してみました。

 

クイズは選択肢形式にしようかと考えています。公務員試験や大学入試センター試験、就職試験・SPI等の時事問題へ向けた練習になるよう努力致しますが、アクセス数が伸びなければ廃止させていただきますので、ご了承くださいm(__)m。情報元は日経新聞や読売新聞です。

 

クイズは二段階形式で、最初は選択形式の問題を1問とその解答・解説、次にその回の問題の復習として、一問一答形式の問題を緑色のフォントで出題します。

 

 

 

選択形式の問題 NO.1

次の3つの文章の中で、実際の情勢を正しく記述している選択肢を選びなさい。

 

(A) トランプ米政権は中国の少数民族であるウイグル族が中国当局によって不当に拘束されているとして、中国からの輸入品に従来よりも高い関税を掛ける措置に入った。この問題は、今日、米中の貿易戦争という形で両国経済に大きな打撃を与えている。

 

(B) 極東でロシア軍は2018年9月に軍事演習"ボストーク2018"を展開した。当軍事演習は米ソ冷戦後最大規模と言われ、米国への圧力は勿論のこと、極東経済ではリードを許している中国への軍事的アピールもあるとされる。中国の習近平国家主席は今回の軍事演習を受けて、ロシアを非難し、同時期に極東のウラジオストクで開催された"東方経済フォーラム"を初めて欠席した。

 

(C) ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題で、国連の国際調査団は2018年9月に調査報告書を作成し、その中でミャンマー国軍や治安部隊が行っているロヒンギャへの殺傷行為が民族虐殺に相当すると論じ、国軍の最高司令官ら複数の幹部は国際法廷に訴追されるべきである、と断じた。

 

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(写真は国連総会 网易新闻より)

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(解答・解説編)NO.1

 

正解は(C)

 

(A) 妥当ではない。

"米国第一主義"を掲げるトランプ米政権にとっては、大規模な貿易赤字の一要因となっている中国への赤字対策が政権当初からの課題となっていた。2018年3月に、米側が鉄鋼やアルミ製品を中心とする中国製品の関税を引き上げたことがきっかけで、中国は報復措置として米国製品への追加関税を決定。報復と非難の応酬となり、今日の"米中貿易戦争"に発展している。

 

 尚、中国当局によるウイグル民族への弾圧に関し、現トランプ政権は中国政府の当局者に対する経済措置を科すことを検討している(2018年9月)。新疆ウイグル自治区においては多くのウイグル民族らが再教育施設へ強制収容されており、中国の政治思想教育を強いられているとの調査もある。

 

 トランプ政権は、米中貿易戦争を打開するための外交カードとして、当問題に対する経済制裁の検討に入っているという憶測もある。

 

 

(B) 妥当ではない。

 極東やシベリアでロシア軍は2018年9月に過去最大規模となる共同軍事演習"ボストーク2018"を展開し、一部で中国軍やモンゴル軍も参加した。また、同時期に開催された東方経済フォーラムは2015年より毎年9月にウラジオストクで開催されており、習近平国家主席は今年初めての参加となった。

 

 ロシアはアメリカよりクリミア編入に対する経済制裁を継続的に受けており、中国も米中貿易戦争で苦しみ始めている。中露は軍事的結束をアメリカに誇示する狙いがあるとされる。また、極東経済においてはロシアは中国にリードされているため、ロシアは共同演習で主導的な立場を示すことにより、軍事面においては中国に引けを取らないことをアピールする狙いがあるという意見もある。

 

 

(C) 妥当な記述である。

 ミャンマー国民は9割以上が仏教徒であるが、その中で少数民族のロヒンギャはイスラム教徒であり、言語も異なっていることから、長年の間、同国で社会的な差別や迫害を受けてきた。近年、ミャンマーは治安部隊を動員してロヒンギャへの掃討作戦を展開しており、多くの難民を出したことで、国際社会から非難されている。

 

国際刑事裁判所(ICC)は2018年9月、ミャンマー国軍幹部らによる非人道的行為の一部について「管轄権を行使できる」との司法判断を示したため、今後、ICCが関係する正式な捜査が開始される可能性が高まった。

 

一連の問題で欧米はミャンマーへの制裁強化を検討しており、経済面においても、外国からの投資の縮小や印象悪化による観光業への打撃が既に深刻化している。

 

 一問一答形式問題 

(1) トランプ米政権にとっては、大規模な(   )の一要因となっている中国への対策が政権当初からの課題となっていた。

 

(2) 米中貿易戦争の現状は、両国が互いの輸入品に対してかける(   )を引き上げることで、非難と報復措置の応酬がますます先鋭化している。

 

(3) トランプ米政権は、中国が自国の(   )民族に対して、強制収容や政治思想教育の強要などを通して弾圧をしていると非難している。

 

(4) ロシアの極東都市ウラジオストクで開催されている(   )に、中国の習近平国家主席が2018年に初めて出席し、中露がともに牽制している米国に対し、両国の蜜月ぶりをアピールした。

 

(5) ミャンマーでは少数民族であるイスラム系の(   )が社会的な制約や迫害を受け続けている。

 

 一問一答形式問題 (解答編)

(1) 貿易赤字 

(2) 関税  

(3) ウイグル  

(4) 東方経済フォーラム  

(5) ロヒンギャ

 

以上です、ありがとうございました!