現役ロシア語講師によるロシア語勉強法

~ロシア語ガチ勢のためのブログ~

外国語の習得方法について (総編)

当記事を覗いていただき、ありがとうございます。

中島です。

 

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本日から外国語の習得方法について書いていこうと思います。一応、私の語学歴について紹介させていただきます。

 

私はロシア語を始めてより、かれこれ10年くらいが経ちます。札幌大学のロシア語学科に入学し、過去に2回ロシア語コンクールで優勝し、神戸の外国語大学を卒業しました。外国語大学時代にはネイティブの先生より、飛び級の案内をされたことがあります(必須科目の時間が合わずに断念しました)。今はロシア語に関連する仕事としては、実務翻訳と個人授業ですが、一時期通訳もしておりました。

 

語学を勉強したことがない人にとって、語学の習得は大変難しいものです。その最大の難点は、どのように勉強すればよいのか、何から始めたら良いのか全く分からない、というところでしょう。

 

世の中では、いろいろな語学習得法が紹介されています。中には、「聞き流すだけで英会話が上達する」と謳っている学習法もありますが、本当なのでしょうか?こういった点も含め、「語学の習得法」というテーマで私が強く感じる効率的な勉強法を数回に分けて書いていきます。

 

語学力は4種類に分けられる。

 

「あの人は英語(外国語)ができる」というのは、非常に抽象的な言葉です。なぜなら、仮にその人が英会話の能力に優れていたとしても、決して通訳する能力があるとは限らないし、あるいは英語の文章を正確に読解できるとも限らないからです。また、その逆のことも同じく言えます。

 

語学能力は以下の4つに分類することができます。

①読解能力

②聴取能力

③作文能力

④発話(会話)能力

 

ある外国語をほぼ完璧にマスターしたいのであれば、この4つの能力を可能な限り偏重なく習得していく必要があります。勿論、4項目の一つひとつを突き詰めれば、際限なく高度な専門的レベルまでを到達目標としなければなりません。例えば、翻訳家を目指すのであれば、①の専門的な能力を優先的に鍛えていく必要があるでしょう。

 

ですが、そうではなくて、一般的な意味での「外国語が操れる」程度への到達を目標に学習していくためには、その習得順序として、概ね①⇒②、そして③⇒④となることが言えます。

 

なぜなら、②聴取(リスニング)は外国語を耳で聴いて内容を一瞬で判断する必要があり、そのためにはまず、それと同程度のレベルのテキストを目で読んで理解する①の能力を訓練する必要があるからです。

 

これと同じように、④の発話能力では、自分の頭の中で考えている内容を一瞬にして外国語の文に組み立てる必要性が求められるため、そのためにはまず、同程度のレベルの日本語を紙面上で外国語に訳す能力を身に付けなければならないからです。

 

例えば、ロシア語で、

"Если завтра будет хорошая погода, мы пойдём за город."

という文があった場合、この文を紙面上(パソコン上)で正しく訳すことができなければ、これと同レベルの文章をリスニングとして聴き取ることは絶対に不可能です。

 

また、「もし明日晴れたら、私たちは郊外に行きます。」という日本語を、紙面上で外国語に翻訳することができなければ、これも同じく、会話で話すことは不可能でしょう。

 

出だしはやはり文法の勉強から

 

実は、上記の①~④よりも優先して習得するべきなのは、文法です。文法の知識が殆どない、もしくは曖昧のまま次のステップに進んだ場合、①の読解能力習得のプロセスにおいて、文章が複雑になっていくほど、必ず誤訳が多くなっていきます。ということは、②の学習にも支障をきたすことになります。

 

また、③④の作文・発話能力はもっと深刻で、正しい文法の習得を意識しないと、正しい文章を書いたり、発話したりすることはいつまでたっても絶対にできません。この理由については、次回書きます。

 

以上をまとめると、「正しい文法知識」という土台の上に、

●読解能力

●聴取能力

●作文能力

●発話(会話)能力

の4つの能力が養成されていくというイメージになるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。次回以降はこの5項目について、もう少し深く掘り下げて説明していこうと思います。ありがとうございました!

 

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